SQLの標準化

SQLはもともとRDBMSベンダー毎に独自実装されていたが、1986年のANSIの標準化から始まり複数回の標準化が行われている。
しかし、標準化の遅れ、市場の拡大、既に独自構文を使用しているユーザへの互換性の維持等の理由により各RDBMSベンダー毎の対応度はバラバラ。
以下に代表的な標準化規格と代表的な改訂内容を示す。

SQL86(1986年)

別名SQL87。ANSIによって策定された最初の標準化規格。
87年にISOにより批准(つまり同意、確認)された。
DMLCOBOL,FORTRAN,PL/Iへの埋め込みSQL仕様の策定。

SQL89(1989年)

マイナーバージョン。DDL、整合性機能、C言語の埋め込みSQL仕様の策定。

SQL92(1992年)

別名SQL2。メジャーバージョン。動的SQL、カーソル、サーバ・クライアントへの対応。
一時表、外部結合、ドメイン等の仕様追加。

SQL/CLI(1995年)

CLI(Call Level Interface:プログラムからのDBMSへのクエリを送受する方法を規程)の対応。

SQL/PSM(1996年)

ストアドプロシージャ(DB側に一連の処理を登録し、通信回数の削減、処理の効率化を図る機能)の対応。

SQL:1999(1999年)

別名SQL99、またはSQL3。RDBMSへの完全対応を目指した規格。
データベーストリガ(テーブルに対するイベントをトリガにして処理を実行する仕組み)、再起クエリー、ユーザ管理関数など様々な仕様を追加。
ORDB(Object Relational DataBase?)にも対応。

SQL:2003(2003年)

SQL/MM(マルチメディア:全文検索フレームワーク等)、SQL/MED(外部データ管理:非リレーションデータベースや他のDBMSとの連携機能)、
SQL/OLB(Object Language Binding:Javaへの埋め込みSQL)、XML関連機能、ID型の導入、ウィンドウへの対応等。